マウスピース矯正でアライナーのニオイが気になる…原因は?
こんにちは、ホワイトエッセンス京都四条通り矯正歯科です。
インビザラインなどのマウスピース矯正をスタートされた患者様から、カウンセリング時によくご相談いただく「ある悩み」があります。
「きちんと毎日洗っているはずなのに、なぜか臭う」
このような不安を抱えている方は意外と多いものです。
アライナーは1日20時間以上、お口の中に留まり続けるものです。
少し長めの記事になりますが、これを読んでいただければ、ニオイの不安から解放され、清潔で気持ちの良い矯正ライフを取り戻せるはずです。
Mechanismニオイの正体
科学的理由
まず知っておいていただきたいのは、アライナーのニオイは、プラスチック素材そのものの匂いではないということです。
犯人は3種類の「硫黄ガス」
口臭やアライナーの悪臭の主成分は、専門用語で「揮発性硫黄化合物(VSC)」と呼ばれます。
通常、私たちのお口の中は唾液によって守られています。唾液には細菌を洗い流し、殺菌する成分が含まれているからです。
ヌメリの正体「バイオフィルム」
装着直後のマウスピースには、まず唾液成分による薄い膜ができます。
さらに、細菌だけでなく「カンジダ菌(カビの一種)」もプラスチックを好んで付着します。これが特有の酸っぱい発酵臭の原因になることもあります。
Material Weakness素材の
3つの弱点
「一生懸命洗っているのに、ニオイが染み付いて取れない」
弱点01 目に見えない「ミクロの傷」
マウスピースは一見ツルツルに見えますが、間違ったお手入れをすると表面に無数の細かい傷がつきます。
一番のNG行為は「歯磨き粉をつけてブラシで磨くこと」です。
市販の歯磨き粉には研磨剤が含まれており、これがプラスチック表面を傷つけ、ザラザラにしてしまいます。このミクロの傷の奥深くに細菌が入り込むと、ブラシの毛先が届かず、ニオイの発生源となってしまうのです。
弱点02 プラスチックは「水を吸う」
インビザラインなどで使用される素材(ポリウレタン等)は、柔軟性がある反面、「吸水性(水を吸い込む性質)」を持っています。
これは非常に厄介な性質で、コーヒーなどの色だけでなく、細菌が作り出した「ニオイ成分」までも素材の内部に吸い込んでしまうのです。
表面の汚れは落とせても、素材の芯まで染み込んだニオイを取り除くのは至難の業です。使い込んだアライナーが黄ばんだり臭ったりするのは、この吸水性が原因です。
弱点03 熱と酸による「変形・劣化」
マウスピースは熱で成形できる樹脂なので、熱湯(40〜60℃以上)に弱く、微細に変形します。形が歪んで歯との間に隙間ができると、そこに汚れが溜まりやすくなります。
また、炭酸飲料やお酢、柑橘系ジュースなどの「酸」も表面を溶かして荒らしてしまいます。表面が荒れると、そこは細菌にとって絶好の隠れ家となります。
また、炭酸飲料やお酢、柑橘系ジュースなどの「酸」も表面を溶かして荒らしてしまいます。表面が荒れると、そこは細菌にとって絶好の隠れ家となります。
Cleaning Protocol「正解」の
洗浄プロトコル

ステップ1:物理的に落とす(優しく!)
まずは表面のヌメリ(バイオフィルム)を物理的に除去します。
- 指洗い・ソフトブラシ:流水の下で、指の腹を使って洗うか、非常に柔らかい毛のブラシを使います。
- 洗剤の選び方:歯磨き粉は絶対NGです。汚れが気になる場合は、研磨剤を含まない「中性洗剤(食器用)」をごく少量使い、成分が残らないよう徹底的にすすいでください。
ステップ2:超音波で破壊する(最強ツール)
ブラシが届かない微細な構造(アタッチメントのくぼみや内側の刻印など)には、家庭用の超音波洗浄機が極めて有効です。
ステップ3:化学的に分解する(洗浄剤)
物理的に落としきれない細菌を殺菌し、染み込んだニオイを分解するには薬剤の力が必要です。
Daily Routineニオイを断つ
鉄壁のルーティン
毎日のルーティン
週2〜3回のスペシャルケア
困った時の対処法
Oral Environmentお口の環境も
整えよう
最後に、マウスピースだけでなく、お口の中の環境を整えることも大切です。
Summary解決策
まとめ
マウスピースのニオイ問題は、以下の3つの鉄則を守れば解決できます。
- ・傷をつけない(歯磨き粉は禁止)
- ・乾燥させない(外したら即水洗い)
- ・化学的に殺菌する(週数回の洗浄剤)
特に、目に見えないレベルでの洗浄には、超音波洗浄機と洗浄剤の併用が最強の組み合わせです。
当院は阪急京都線「烏丸駅」から徒歩5分、市営地下鉄烏丸線「四条駅」から徒歩6分の四条通り沿いにございます、関西は大阪梅田、岸和田市、和歌山市に分院があります。
※2014~2025年グループ全体の矯正治療症例数
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