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噛み合わせとスポーツ—お口の状態が競技に影響する?

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こんにちは、ホワイトエッセンス京都四条通り矯正歯科です。

診療の中でこんなご質問をいただくことがあります。

「矯正治療を始めたいけれど、スポーツへの影響が心配で踏み出せない」

「試合のときにマウスガードをしているんですが、歯並びとも何か関係がありますか?」

歯のこととスポーツのことを、セットで気にされている方は意外と多くいらっしゃいます。

お口の状態が運動時のコンディションやパフォーマンスに関係している可能性は、近年の研究でも少しずつ明らかになってきています。今回は、その内容を学術論文をもとに、なるべく身近な言葉でお伝えします。

噛み合わせとスポーツ—お口の状態が競技に影響する?

アスリートの口腔状態について

プロアスリートのお口の状態は、思ったより悪い?ーデータが示す意外な実態

体を極限まで鍛えているトップアスリートなら、口腔ケアにも気を配っていそうなイメージってありそうですよね。

ロンドン大学が2015年に発表した論文では、そのイメージを覆すデータが示されていました。

世界各国のプロ・エリートアスリートに関する34の調査を統合した結果、虫歯や酸蝕症(歯が酸で溶ける状態)、歯ぐきの炎症などを抱えているアスリートが多数いることが報告されました。

噛み合わせとスポーツ—お口の状態が競技に影響する?

お口のトラブル確認された割合(研究間のばらつきを含む)
虫歯(う蝕)15〜75%
酸蝕症(スポーツドリンク等で歯が溶けた状態)36〜85%
歯周病(歯ぐきや骨の炎症)15%
歯の外傷14〜47%(競技の種類・国によって幅あり)

割合に幅があるのは、競技の特性や調査対象の違いによるものです。

いずれにしても、「プロだから口腔状態も優れている」とは言いにくい結果でした。

加えて、調査に参加したアスリートのうち518%が、「お口のトラブルが実際の競技に悪影響を与えた」と自ら回答していました。

自己申告ではあるものの、口腔の管理がスポーツにおけるコンディション維持の盲点になっている可能性を示唆しています。

※このレビューには研究上の限界もあります。

「パフォーマンスへの影響」を筋力やタイムなどの客観的指標で示したデータが不足しており、影響の有無が主に自己申告に依存していることは、著者自身も課題として挙げています。そのため、「関連する可能性がある」という段階の知見として理解することが大切です。

歯ぐきの炎症は、体全体に関係することも

歯周病というと口の中だけの問題とイメージしがちですが、研究では、お口の炎症が全身のコンディションと関わっている可能性も報告されています。

因果関係の詳細はまだ研究途上ですが、慢性的な炎症をお口の中に持ち続けることは、体全体の状態に影響しうると考えられています。

歯が痛い、顎がだるいといった状態は、集中力や睡眠の妨げになることもあります。うまく食事を噛めない時期が続けば、栄養補給や試合後の回復にも支障が出る可能性があります。

「歯のケアはスポーツとは別の話」と切り離さず、コンディション管理の一部として捉えてみることが大切かもしれません。

食いしばりと神経の関係

「食いしばり」は本能じゃなくて、神経の話?アスリートが歯を食いしばる理由

バーベルを持ち上げる、スタートダッシュを切る、踏ん張るそうといった瞬間に歯を食いしばるアスリートの姿はよく見られます。

これは単なる「気合い」と思わう方もいらっしゃるかもしれませんが、神経科学の観点から研究されてきた現象でもあります。

2006年のアメリカの論文では、「随意的同時収縮(CAPConcurrent Activation Potentiation)」という概念が記載されています。

CAPをわかりやすく言うと

「あごの筋肉を収縮させると、体の別の部位の筋肉にも影響が出るのではないか」という考え方がCAPです。

想定されるメカニズムとして、脊髄レベルで運動神経の興奮性が変化する「H反射の活性化」や、脳の運動野の興奮が全身に波及する「大脳皮質のオーバーフロー」といった神経系の変化が議論されています。

現在、この理論の全貌を解明すべく、研究が進められています。一人ひとりの身体や状況によって影響は異なるため、あなたにとって最適な『力の引き出し方』を見つけるヒントになるかもしれません。

ここぞという場面での噛み締めが、私たちのパフォーマンスをどう引き上げてくれるのか、今後のさらなる解明に期待が寄せられています。

マウスガードと噛み合わせについて

マウスガードを「合わせて作る」ことに意味がある理由

コンタクトスポーツでの怪我防止を目的に使われてきたマウスガードですが、近年は別の角度からも注目されています。

噛み合わせを意識して設計されたカスタムメイドのマウスガードが、競技中のパフォーマンスに関係する可能性があるという研究です。

2021年のスペインの論文では、咬合調整型マウスガード(噛み合わせを個別に調整して作るタイプ)の効果を検証した27件の研究が分析されています。

分析の結果は?

27件のうち16件でプラスの効果が、2件でマイナスの効果が、残りの9件では有意な差が認められませんでした。

著者らは、結果にばらつきが出た背景として、テスト方法の違いやマウスガードの設計・フィット精度の差を挙げています。そのうえで、「特にジャンプや膝の伸展など、下半身を瞬発的に使う動作において有益な可能性がある」という見解を示しています。

つまり、お口にぴったり合ったマウスガードは、怪我からしっかり守ってくれるだけでなく、あなたの本来の力をさらに引き出してくれるパートナーになり得るということです。

競技のスタイルや一人ひとりの身体の個性に合わせて、自分だけのベストなパフォーマンスを追求していける点も、大きな魅力と言えますね。

噛み合わせとスポーツ—お口の状態が競技に影響する?

市販のものとカスタムメイドの差

「とりあえず市販のものを使っている」という方も多いかと思います。

ただ、研究では、マウスガードの設計や適合性の違いが結果のばらつきに影響している可能性が指摘されています。

お湯で柔らかくして成形する「ボイル&バイト」タイプは手軽ですが、歯型への適合には限界があります。自分のお口にしっかりフィットしたものを使うことが、保護効果の面でもパフォーマンス面でも重要になってきます。

噛み合わせとスポーツ—お口の状態が競技に影響する?

まとめ

要点01 アスリートの口腔状態について

世界各地の研究データを見ると、プロ・エリートアスリートでも虫歯や酸蝕症、歯ぐきのトラブルを抱える方は多く、一部では「お口の問題が実際の競技に影響した」と感じている選手もいます。お口のケアは、スポーツのコンディション管理にもつながっています。

要点02 CAPという考え方について

の噛み締めが、他の筋肉のパフォーマンス向上につながるという考え方をCAPと呼びます。神経系のメカニズムについては現在も活発に研究が進められており、今後さらに理論が解明されていくことが期待されています。

要点03 マウスガードの可能性について

カスタムメイドの咬合調整型マウスガードは、怪我の防止だけでなく、下半身の瞬発的な動作においてプラスの影響が示唆されています。効果には個人差があるため、一人ひとりに合った選択が大切です。

「噛み合わせを整えたい」「スポーツをしながら矯正できるか知りたい」「マウスガードについて相談したい」という方は、ぜひ当院へお気軽にご相談ください。

ホワイトエッセンス京都四条通り矯正歯科について

京都・四条通りエリアで、矯正歯科とホワイトニングを専門に診療しています。歯並びや噛み合わせのお悩みはもちろん、スポーツをされている方や成長期のお子様の顎の発育に関するご相談にも幅広く対応しています。

アライナー矯正に対応しており、生活スタイルや目的に合わせた治療プランをご提案します。「まずは話を聞いてみたい」という方のご来院も歓迎しています。

ご予約・お問い合わせ

矯正治療・ホワイトニング・噛み合わせに関するご相談はお気軽にどうぞ。

参考文献

1. Ashley P, Di Iorio A, Cole E, Tanday A, Needleman I. Oral healthof elite athletes and association with performance: a systematic review.Br J Sports Med. 2015;49(1):14-19.

2. Ebben WP. A brief review of concurrent activation potentiation:theoretical and practical constructs. J Strength Cond Res.2006;20(4):985-991.

3. Miró A, Buscà B, Aguilera-Castells J, Arboix-Alió J. Acuteeffects of wearing bite-aligning mouthguards on muscular strength, power,agility and quickness in a trained population: a systematic review.Int J Environ Res Public Health. 2021;18(13):6933.

本記事は、学術論文および公開情報をもとに作成した情報提供を目的としたコンテンツです。
記載の内容は特定の症状や疾患に対する診断・治療を目的とするものではありません。
お口の状態や治療の適否については、必ず歯科医師による直接の診察・検査のうえでご判断ください。
気になる症状がある場合は、お早めに歯科医院へご相談されることをおすすめします。

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